国道を渡り、山門をくぐり参道の坂道をしばらく登ると、その立派な堂宇が現れた。別名八日堂ともいわれ、重文の三重塔もひかえている。今までどうして知らなかったのかが不思議であった。知っているようでいて知らないことは往々にしてあるものではあるのだが・・。そして本堂を裏に回った蓮池では、蓮の群生が見事な花を咲かせ、吹く風に花頭を揺らしていた。その光景は遡る1200余年前、奈良天平の時代、仏教の布教に生涯をかけ、東大寺の大仏建立を成し、全国各地に国分寺を配した聖武天皇、国分尼寺を配した光明皇后の「思いの息吹」を感じさせ、かって奈良斑鳩の里に居住し、総国分寺であった東大寺や、光明皇后の生き写しとされる十一面観音がある、総国分尼寺であった法華寺を訪れた頃の私の「若き日々」を走馬燈のように甦らせた。
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