伊那から高遠を経て長谷に向かって車を走らせると右手に、高さ69.1m重力式コンクリートダム「美和ダム」が見えてくる。美和ダム湖はエメラルドグリーンの満々たる水量を蓄えて静かに横たわっている。湖周辺には多くの動植物が見られ、特に昆虫類は2,000種近くが生息しているという。ダム湖にはかなりの堆砂量があるため、上流に貯砂ダムを建設、洪水時には砂の混ざった水がダム湖へ流入しないよう分派堰ゲートから、バイパストンネルを通って、美和ダムの下流に流すようになっている。美和ダムの堤体を見上げる位置に、ローマの遺跡のような形をしたその排水口が黒い大きな口を開けてその時を待っている。
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