Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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八千穂高原 八千穂レイク / 長野県南佐久郡佐久穂町
それもまた佳し
 八千穂高原は八ヶ岳の東山麓に位置する高原であり、今まで大きな開発が行われてこなかったため、いまだ自然が自然として残されている。 この日は八ヶ岳の西山麓に位置する蓼科高原から、標高2127mの麦草峠を越えてこの地に至る。
 麦草峠を越えるまでは雲間から陽ものぞいていたのだが、峠を越える頃からは霧で視界がきかなくなり、そのうち霧雨となった。 「メルヘン街道」と呼ばれる山岳道路を、「恋人の聖地」と呼ばれ、八千穂高原の中心に位置する「八千穂レイク」を目指す。 到着を待っていたごとく霧雨はあがり、ハート形に見えるという湖面が私を迎えてくれた。
 ただ湖をめぐる遊歩道に散見されたのは、若いカップルよりも、多くは湖中の魚を追う釣り人であり、リタイヤした中高年のカップルであった。 だが「それもまた佳し」、大自然はそんな人間社会のとり決めなどには、いっこうにお構いなしである。
2011.7

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