ともあれこの渓谷はコナン・ドイルのSF小説「失われた世界」のようであった。というのも樹齢300年〜400年のブナ林の太古の森を逍遙する中で「ヘビ」に遭遇すること2度、「トカゲ」に遭遇すること1度、さらにはたどり着いた観光センターの自動販売機はディーゼル発電機が止まっていて飲むことできず、携帯電話の電波は山間に遮られて用をなさず、およそ現代文明からは隔絶された空間であることを自ら「目のあたりにした」からである。ちなみにバケツに汲まれた清水で冷やされていたジュースを売ってくれた売店のおばさんによれば、冬季の積雪は7mを越えるとのことである。
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