未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
川上村から / 長野県南佐久郡川上村
繁栄に導いたものとは
長野県の東南端に位置する川上村は、日本最長河川である信濃川に至る千曲川源流の里であるとともに、冷涼な気候条件から高原野菜、特には「レタス栽培」で有名な村である。JR鉄道日本最高所駅がある野辺山から南東に進路をとると川上村に至る。名前を聞いてはいても、訪れるのは今日がはじめてであった。
日本有数の産地となったレタス栽培は、敗戦の折、進駐軍が食するサンドイッチ用にと始められたものが、今に至ったと聞いたことがある。敗戦が地方に埋もれていた寒村を、大いなる繁栄に導いたのであるから、世の中、何が幸いするかわからない。
撮影したカットは、野辺山からしばらく走ったところで現れたこの村の風景である。穏やかな春の陽光を浴びて、肥沃の畑地が輝いている。それはまさに、この村の繁栄を裏打ちするようであった。ちなみに日本最高所JR駅は野辺山であるが、この村には日本最高所遺跡である大深山縄文遺跡(4,500〜5,000年前)があるという。高いことは「いいこと」なのである。
2011.5
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