立ち寄った「メルシャン軽井沢美術館」は、あいにくの冬季休館中であった。だが休館中の美術館もまた風情があっていいものである。美術館の周囲には、白樺とカラマツの林の中に、ウイスキー蒸留所の樽貯蔵庫や、ミュージアムショップ棟、レストラン、カフェなどが点在している。ルーヴル美術館、リシュリュー翼や、パリの大統領府、エリゼ宮のリニューアルなどを手がけたフランスの建築家、ジャン・ミシェル・ヴィルモットによって「1つの村(ヴィラージュ)」をコンセプトに設計されたという。春になれば、多くの入館者でにぎわう空間も、今日ばかりは静かな時間の流れに身をまかせ、眠っているようである。
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