未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
乗鞍高原 / 長野県松本市安曇
何も変わってはいない
この秋一番の冷え込みとあって、乗鞍岳は中腹からうえが白い雪化粧が施され、山頂は雪雲に没して視界がとざされていた。紅葉に染められた山麓は、もはや晩秋の趣を漂わせ、雲間からもれ射す陽光に温められて静かにうずくまっている。昨年も同じ頃にここを訪れたのであるが、そのときは急に降り出した雨にさえぎられて、満足な撮影ができなかった。1年の歳月を隔てての収録であるが、乗鞍高原の自然は、喧騒渦巻く下界の変化を「あざ笑う」かのように、何も変わってはいなかった。
2010.11
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