黒姫高原の高台にある、黒姫童話館に到着したとき、まさに太陽はその日の仕事をおえ、黒姫山の肩に沈もうとしていた。あわてて牧場の草原に踏み入り、没する太陽とその残照でライティングされた童話館を正対して撮影した。

　気づくと、童話館に向かう石段に、ひとりの小さな女の子が、楽しかった今日という日を惜しむかのように、蒼い額に夕陽を浴びてたたずんでいた。黄昏はしばらくすれば夕闇へとかわるであろう。その前には帰ったほうがいい。