妙高高原池ノ平から北に位置する赤倉温泉に向かう。山麓沿いにしばらく走ると林が途切れ視界が開けた。そこはゴンドラリフト「スカイケーブル」の発着駅であり、さえぎるものなく妙高山の全貌を眺めることができた。設けられた駐車場は閑散とはしていたが、そこには晴天と絶景に励まされてあげる観光客の元気な声があった。白いゴンドラはとどまることなく、次々と山麓を駆け登っていく。遠く山腹にたたずむ瀟洒な高原ホテルは赤倉観光ホテルである。駅に隣接する赤倉温泉は、江戸時代後期、上越高田藩主によって拓かれた由緒ある温泉街であるという。撮影をすませてから、昼食をとろうと、温泉街を車で走ったが、ご多分にもれず、通りのあちこちで閑古鳥が鳴いていた。それでも、ようよう見つけて入った小さな食堂が、元気のいい女将さんが仕切る、気持ちのいい店であったことが、何にましても幸いであった。
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