車山高原をくだり、午后、女神湖に至る。湖岸をめぐって、撮影ポイントを探していると、馬に跨り、鮮やかな赤い騎兵服を身にまとった、年の頃、中年を過ぎた3人の「森林警備隊員」が悠然とやってきた。なぜに森林警備隊員とわかったかと言えば、近づいてくるなり、馬上「我らは森林警備隊です」と隊長とおぼしき堂々たる体躯の騎士が言葉をかけてきたからであり、「写真を撮ってもいいですよ」と言ってくれたからである。風情はカナダの森林警備隊のようであり、カーキ色の帽子には、ホコリひとつついてはいなかった。強い陽光の中、勇躍として去って行く様は、「まことに見事」というしかない、誇りに満ちたものであった。
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