未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
富士見高原ゆりの里 / 長野県諏訪郡富士見町
夏は何処へ
小淵沢ICから7km,車で約10分の位置にある富士見高原スキー場。夏は約300万本が咲き誇る「ゆり園」となる。訪れた日は強い雨が降ったりやんだりのすぐれない天候であり、園の入り口付近から眺めただけのわずかな滞在での観賞であった。今年の梅雨は長く、このままいけば、梅雨が明けるとともに秋が到来するような始末にもなりかねない。夏はいったい何処へ行ってしまったというのであろう。
畑中で作業する人が次々にゆりの花を切り落とすに不思議を感じてたずねてみると、長雨による生育不良で枯れてしまっているとの由、かくなるところにも異常気象の影響が顕れている。ただ雨霧におおわれた山麓の森の中でさえずる野鳥の声だけは、行く夏を惜しむがごとく変わらずにゆり園のうえに響き渡っていた。
2009.8
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