このまつりには続けて4年ほど訪れているが、今年のまつりは世相に漂う不況色をあやめの鮮やかな紫色で払拭しようとするかのように盛況であった。私が訪れたのは梅雨の合間の蒸し暑い日曜の午後であったが、その日の午前中に降った雨に洗われた「あやめ」が一面に見事な発色で迎えてくれた。あやめ公園のいたるところに人が集い、開催された音楽演奏などのイベントに歓声が響き渡っていた。

　その後、隣接する龍門渕公園をぶらりと散策した。園内を貫いて流れる「前川」は、ラフティング国際大会国内予選も開かれる国内屈指のカヌーのコースとのことであり、あやめまつりのイベントとして行われるカヌー大会「にじますカップ」には全国から100人以上のカヌー好きが集まるとのことである。川に渡された橋の上に佇み、水かさを増した川面を眺めていると、とうとうと流れるその流水の中を練習に興じる若者がカヌーを巧みに操って川下に流れていった。