万座温泉から白根山方面への道は大渋滞を引き起こしていて一歩も前に進む気配がない。あきらめて志賀高原方面へ向かう。吹く風の寒さに耐えてリフトに乗って横手山の山頂に到着したのは午後2時を過ぎていた。山頂の展望台に登ると一気に眺望がひらけ、眼下に広がる景色は久しぶりに出逢う絶景であった。幾分霞のかかった大気の中に、雨後の竹の子のごとくに山峰が突き出ており、遠く北アルプスの山並みも雲上に顔を出している。直下の山麓は、あたかもスイスアルプスの山麓であるかのごとく紅葉林が広がっており、おとぎの国の話のようである。
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