八ヶ岳山麓に位置する竜神池とすぐ近くで発掘された尖石縄文遺跡にある再現集落の風景である。尖石遺跡は、後に我が国「最古の国宝」となる縄文時代中期(4000〜5000年前)の土偶「縄文のビーナス」が出土したことでも知られている。最近では縄文後期の仮面土偶 が発見され、「仮面の女神」と名付けられたとのことである。「ビーナス」と「女神」のふたつの土偶を間近で目にしたが、縄文人の独創性は、現代人の遠くおよぶところではない。竜神池がその頃にあったかどうか定かではないが、あるいはないとしても、このような池は当時としても、かならずあったはずであり、その水面に映った八ヶ岳の姿は、数千年の時空を越えてさえ、昔も今も何ら変わるところはないはずである。
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