Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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栗尾山満願寺 / 長野県安曇野市穂高
1200年以上の時を経て
 以前から名前は聞いていた満願寺(まんがんじ)を、晴れた日曜の午後、ふと思いたって訪ねることにした。日の光をそうやすやすとは通しそうもない、うっそうとした急勾配の林間の参道を無言で登る。参道には参拝者の姿はひとりとして見あたらず、不気味に静まりかえっている。霊気というものか。額に汗がながれる頃、ようよう明るい陽射しに照らされた、そう広くはない境内に着いた。境内にも人影がなく、日盛りの中で本堂がしんとしており、真言宗の寺らしく、托鉢姿の弘法大師、空海の像が本堂脇に立っている。信濃三十三観音霊場の第26番札所であるという。四国讃岐の人、空海の教えは1200年以上の時を経てなお、ここ安曇野の奥深い山寺にも息づいている。
2008.7

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