NHK大河ドラマ「風林火山」で撮影に使われた信玄の「躑躅ヶ崎館」を再現したオープンセットであり、放送が終了した後、一般公開されている。館は実際のものよりは幾分小さく作られているとのことである。館の居室に上がって、信玄になったつもりで「庭」を眺めてみる。その時、ふと同じシーンをどこかで見た記憶がよみがえった。それは限りなく「リアリティ」を追求した黒沢明監督が撮った映画「影武者」でのカットシーンである。同じ信玄の「躑躅ヶ崎館」の再現であってみれば、そのことに何ら不思議なことはない・・・だとすれば・・・かっての信玄もまた、私が今眺めると同じ「躑躅ヶ崎館」の「庭」を眺めたにちがいなく、時の経過をもってしても、「このこと」には、過去も現在も何ら変わりがないのである。演じた俳優の気持ちが少しはわかった気がしたのである。
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