真田幸村の風景
六文銭の旗印のもと真田一族のすべての魂を背負いあらん限りの知略を尽くして家康に挑み義に殉じた幸村
最期の決戦に赴く “ ひのもといちのつわもの ” 幸村の胸中に思いを馳せる
決戦の時
万物事象の舞台に 筋書なく
時空流転して 片時も留まらず
熟慮の季節過ぎ 決断の時訪れる
思い潜めた苦節の日月 真田魂何を語るか
惰気去りて 剛気悠然として 光彩を発す
歳月機会創りて 過去未来を定む
優柔は徒労に逸し 果断は活路を拓く
戦機は常に刹那に在りて 事象を裁断す
生きながら死滅する 妥協と訣別し
死して 不死鳥のごとく蘇る 闘いに赴むく
胸中の謀事は 事象の出方待たず
自ら翻弄して 自在の境地
理性怜悧にして 論理過酷に使う
胆力鎮まり 気力昂揚し 鬼神総身に満つ
乾坤一擲にして 腹蔵のほむら 外界を焼く
事の成否 天の計らいにて 心煩うこと無し
行蔵の正邪 人に預けず 時空に委ね
心定めるに 悔いは残さず
催すは ただ一代の雅舞
唯我独尊の佇まい 常に香気と成し ゆるがず
漂白楽しみて 一人 渦中に入る
この身虚空にかかり 軽妙にて 飄々たり
一抹の生死の狭間 いま決戦の瞬きに 煌めく
(柳沢 健)
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