未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
誰のための時代か?
世相はますます人間にとって生きにくくなっている。
かっての時代は「人間の時代」であった。言うなれば「人間が主役」の時代である。現代は「科学の時代」である。言うなればそれは「機械やコンピュータが主役」の時代である。
ではそれは「誰のための時代」かと質問の方向を代えれば返答に窮する。人間の時代は言うまでもなく「人間のための時代」である。だが現代の科学の時代となると胸を張って「人間のため」と断言することに躊躇を覚える。文字通り言えば、それは「科学のための時代」ということになろう。人間はそのための従僕であり、アシスタントであり、支援者であり、協力者であり ・・ あるとなる。
現代がもっとも特徴的なことはこの「誰のための時代」かという根本義がゆらいでいるところにある。
それは政治経済から学術文化等々まで全般に至る。 つまり、「誰のための政治」なのか? 「誰のための経済」なのか? 「誰のための医療」なのか? しかして「誰のための学校」であり、「誰のための文化」なのか?
言わずもがな ・・ それは「人間のため」である。 巷間「世も末」が叫ばれるようになって久しい。だが「世も末とは また夜明けは近い」ということでもある。
2016.10.03
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