かって、「借金を宝くじで返す」と豪語した彼がいた。 その言葉通り、彼は毎月売り出される宝くじを根気よく買い続けていた。 その後、かくなる方法で返済を完了したという噂を耳にしないことからして、彼には予定された幸運は訪れなかったのであろう。
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ある統計によれば、日本国が抱える借金の総額は約1034兆円(2016年3月30日時点)であって、1世帯あたりでは約1956万円であるという。国民1人当たりの負担額は約815万5000円(2015年4月1日時点)である。 その借金は今もなお年間で約26兆円増加し続けている。その額を換算すると、1日あたりでは約712億円、1時間あたりでは約29億7000万円、1分あたりでは約4950万円、1秒あたりでは約82.5万円となる。 これらの長期債務はGDP比では150%に上り、先進国では類を見ないほどの大きさであって、今だに返済のメドはたっていない。
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ちなみに個人の無担保ローンやキャッシング等の借入には2010年の6月18日の改正貸金業法で総量規制が導入され、債務の合計が年収の3分の1を超えてはならないと規制されている。 仮に国の税収額、約54兆円を日本国という人格の年収と考えれば、規制に則った借入可能額は、約18兆円でしかない。だが現状は年収の約19倍にあたる1034兆円の借入をしていることになる。
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これでは冒頭で掲げた「借金を宝くじで返す」と豪語した彼を笑うことはできない。 あるいはまだ彼の方が返済方法としての現実味があるように感じられるのは私だけであろうか
・・?
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