哲学を勉強することは何の役に立つのか、もし論理学の深遠な問題などについてもっともらしい理屈がこねられるようになるだけしか哲学が君の役に立たないなら、また、もし哲学が日常生活の重要問題について君の考える力を進歩させないのなら、哲学なんて無意味じゃないか。 哲学的混乱に陥っている人は、或る部屋の中に居てそこから脱出しようとしているが、しかしどうしていいか解らないでいる人に似ている、彼は窓から脱出しようとするが、窓は高すぎる、彼は煙突から脱出しようとするが、それは細すぎる、しかし、もし彼が振り向きさえすれば、ドアはずっと開け放されていたのだ、という事に気づくであろう。 全ての科学上の問いに、答えが得られようとも、自らの人生上の問いには、答えは出せないだろう、もちろん、そのときは、何も問いは残ってはいない、実は、まさしく、問いがないことが、答えなのである。
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