これらの複雑系の解析に絶大な力を発揮するのがコンピュータである。人類が発明した最も偉大な道具はもっかのところ「顕微鏡」、「望遠鏡」、「コンピュータ」の3つであると言われている。顕微鏡は肉眼では見えない微小なミクロの宇宙を、望遠鏡は肉眼では見えない巨大なマクロの宇宙をかいま見せてくれた。そしてコンピュータは人間の知能をもってしては認識できない混沌とした「カオス宇宙」をかいま見せてくれる。顕微鏡、望遠鏡の性能向上は著しいが、コンピュータの性能向上はさらに著しく、このままいくと2025年には人間の脳をスーパーコンピュータがシミュレーションできるようになるという。最近まで世界最速のスーパーコンピュータであった日本の「京」は、浮動小数点数演算を1秒あたり1京回(10の16乗)おこなう処理能力に由来する。
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