Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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未来の制作
 過去は必然であり想起することは容易で明確であるが「変更不能」である。未来は偶然であり想起することは難しく不明確であるが「変更可能」である。これらは「時間の矢」の非可逆性に起因する。言うなれば「後の後悔先に立たず」ということであり、「覆水盆に返らず」ということである。努力は常に「可能性に向かって」為されなければならない。そうつまり偶然であり想起することは難しく不明確ではあるが「変更可能」な未来に向かってである。

 未来を想起するとは選択肢を想起することであり、未来を制作するとはその想起された選択肢からいずれかを選択することである。AとBの選択肢の中からAを選択するかBを選択するかによってそれぞれ異なった未来が制作される。選択肢が想起されなければもとより未来は制作されないが、選択肢が想起されたとしても選択がなされなければ未来は制作されない。選択肢を想起する原動力とは想像力であり、選択肢を選択する原動力とは決断力である。想像力が欠如しても、あるいは決断力が欠如しても未来は制作されない。想像力と決断力の2つの力があいまった場合においてのみ「未来は制作される」のである。
2012.10.02

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