雨降って地固まる |
「対称と反対称の哲学者」ロジェ・カイヨワは著書「反対称」のなかで「・・確立された完全な対称のなかに、部分的で偶発性のものでない破壊が突如として生ずることがある。この破壊はすでに形成されている平衡を複雑にする。このような破壊が厳密な意味での反対称である。反対称は、結果として、反対称が生じた構造あるいは組織を豊にする。すなわちこれらに新しい特性を与え、より高度の組織の水準に移行させる・・・」と述べている。私はこの反対称を「対称性の崩れ」と呼び、「ペアポール宇宙モデル」では正対するペアポールの狭間で発生する「ゆらぎ」と位置づけている。つまり、現代社会が遭遇しているさまざまな混乱は物理学的に考えれば新たな宇宙発生に向けた「対称性の崩れ」であり、「ゆらぎ」である。それはまたカイヨワが言うように現在の組織(構造)に新たな特性を与え、さらに豊かに高度にする過程でもある。難解な説明となってしまったが、ひと言でいえば「雨降って地固まる」ということである。 |
2012.9.12 |
|