得たいの知れない支配者 |
現代人はかっての人間とは明らかに変質したようである。意識活動に必要なさまざまな情報が発達した情報機器によって瞬時に入手可能となった今、知識は記憶するものではなく「手に入れる」ものとなった。必要なことはその入手方法を知っていることであり、より具体的にいえば情報入手のための機器、例えばスマートフォン等を巧みに操作できるかどうかにかかっている。意識活動がそのように変化した人間に「のこされた世界」とはいったいどのような世界なのか・・?
【 ひとつの結論 】
生物としての身の安全と生活の安定が最重要とされる世界。それは現代人が日々血眼となって探し回っている世界そのもの。
この経過は人間にとって進歩なのか・・はたまた退歩なのか・・人類は今、「何か得たいの知れないもの」に支配されつつある。現代社会を変質させた最大の原因が「コンピュータの登場」にあることは誰も異論無きところであろう。あるいは、その得たいの知れない何ものとは、この「コンピュータ」のことで、我々人間がそのことに気がついていないのではないのか・・? 人間の頭脳をはるかに上回る計算能力に、今では思考能力さえ付け加わろうとしているコンピュータに人間がはたして追いつけるのであろうか・・? 人間が他の生物と最も異なるところは自ら「考える」ことであろうが、その考えることをコンピュータに奪われたとき、いったいどのような世界が到来するのであろうか・・?
【 ひとつの結論 】
人間にのこされた役割が人を笑わせたり感動させたりする情緒や情感だけの世界。
現代社会がお笑い芸人の天国になったり、映画やスポーツなどのエンターテインメントが隆盛となった昨今の世相は、こう考えると「しごく当然」のように思えてくる。 |
2012.6.07 |
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