共時性における「意味ある符号（予兆）の象出」には時間の経過が関係しないため、「一瞬先の未来」を予測するには妥当性があると言えるが、肝心要なその予兆を探し当てることはそう簡単なことではない。

　共時性は別名「目的論」とも呼ばれ、象出した予兆には「何らかの目的」が内蔵されていると考えられている。

　例えば、「白い蛇（予兆）の出現は、未来における事の吉兆である」というような構図である。

　白い蛇の象出（予兆）と、未来における吉事の到来とは、時間の経過によって構成される「因果律」では説明不能である。つまり、現在における白い蛇の出現という原因と、未来における吉事の到来という結果との間には、合理的な理由が見あたらない。

　共時性（予兆）による未来予測の方法は、考えるのではなく直観的に感じるのであって、ただただ「眺める」という、はなはだ非科学的な手法によるのである。