Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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灯台もと暗し

 私が持っているものを、皆は持っていず。
 皆が持っているものを、私は持っていない。

 しかし・・私は「自分が持っているものには目もくれず」に、皆が持っているものを「羨望」する。

 すると・・今度は皆の方が「自分で持っているものには目もくれず」に、私が持っているものを「羨望」するのか・・・?

 「灯台もと暗し」とは、このことである。

 畢竟。人生には誰にも共通する「一般解」などは存在せず、それぞれ個有の「特殊解」しか存在しないのである。

 ありもしない「人生の一般解」を生涯に渡って解き続けることは、徒労以外の何ものでもない。花も実もある人生とは、それぞれ個有に与えられた「人生の特殊解」を解くことに「内蔵」されているのである。

 しかしながら、特殊解であるから、その解はその人「個有の解」であり、自分で解く以外に他に方法はなく、隣人の答案用紙をいくら「カンニング」したとて、得られるものではない・・・それは明白である。

2005.9.15

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