私が持っているものを、皆は持っていず。
皆が持っているものを、私は持っていない。
しかし・・私は「自分が持っているものには目もくれず」に、皆が持っているものを「羨望」する。
すると・・今度は皆の方が「自分で持っているものには目もくれず」に、私が持っているものを「羨望」するのか・・・?
「灯台もと暗し」とは、このことである。
畢竟。人生には誰にも共通する「一般解」などは存在せず、それぞれ個有の「特殊解」しか存在しないのである。
ありもしない「人生の一般解」を生涯に渡って解き続けることは、徒労以外の何ものでもない。花も実もある人生とは、それぞれ個有に与えられた「人生の特殊解」を解くことに「内蔵」されているのである。
しかしながら、特殊解であるから、その解はその人「個有の解」であり、自分で解く以外に他に方法はなく、隣人の答案用紙をいくら「カンニング」したとて、得られるものではない・・・それは明白である。
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