Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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ポアンカレ循環疑義

 フランスの数物理学者、アンリ・ポアンカレ(1854年〜1912年)が証明した「ポアンカレ循環」の帰結は、もし「永遠の時間の存在を想定すれば」、あらゆる物事は出発点に回帰し、同じ循環を繰返すことになる ・・ というのだが。

 この証明の「永遠の時間の存在を想定すれば」という前提条件が「引っかかる」 ・・ 前項で述べたごとく、「永遠」や「無限」の存在を証明したものはいないのである。

 してみると、ポアンカレ循環の有義性は、単なる「数学的概念」ということになってしまい ・・ 人間が生活する上での哲学的有義性は消失してしまう ・・・。

2005.9.07

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