日本の財政赤字は今や700兆円を凌駕し、さらに拡大中である。
その負債額は国民1人あたり500万円以上の借金をしている勘定になるという。
だが我々国民ひとりひとりには、その自覚症状がない。それはどこか遠い国の話のごとくにリアリティが欠如し、しかして危機感の微塵も感じられない。
かかる財政悪化が「慢性病」に擬せられる所以である。
慢性病の怖さは、実にこの自覚症状がないというところに存在するのであり、やがていつか臨界点に至れば、白アリに浸食された楼閣が一夜にして瓦解するごとく、おのが身を奈落の底に突き落とすのである。
かって日本が誇る科学者、寺田寅彦(1878〜1935)は今にのこる名言を遺した、曰く「天災は忘れたころにやって来る」と・・・。
|