風林火山にして自然人、信玄。
毘沙門天にして軍神、謙信。
現実主義者にして実業家、信玄。
理想主義者にして詩人、謙信。
好対照を成す「Pairpole」の彼らであってみれば、天下を奪取することなど、実のところ、どうでもよかったのかもしれない。
彼らの上洛の状況をつぶさに眺めれば、沸々としてそんな思いがわいてくる。
彼らが戦国の世に発した火のような熱情は、41歳の信玄と32歳の謙信として、永禄4年(1561年)の川中島における乾坤一擲の激闘の中で、その光芒を永遠の彼方に閃光のごとく放射し、信濃善光寺平、八幡原の時空に昇華・・夢はもうその先へは往かなかった・・ということではあるまいか。
かくして・・かかる光芒は天空に架かって煌々と輝き、平成における今も尚、その光彩はいささかも衰えてはいない。
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