弁慶とは情報である。
武蔵坊弁慶という人物(物体)が岩石のように、今の今という世に、現存しているわけではない。
それは、かって源平の世において、源義経の家来として、ひとときも離れずに臣従し、最期は、はりねずみのごとくに一身に矢を浴びて、主義経に殉じた、無骨な山法師が「いた」という「情報」である。
この世では・・人は死して身体を消滅させることで、ひとつの情報に「変身」するのである。