現代は、哲学者、ニーチェが予言したごとく、「末人の社会」になりつつある。社会の倫理観は「弱者のルサンチマン(姑息な羨望や嫉妬等)」が本流となり、我が身の保全を第一優先する見せかけだけの謙虚と慇懃が社会を覆い尽くし、恥じることもなく大手を振って横行している。
今や「強者のプライド(高潔な誇りや寛容等)」は、かかる「弱者のルサンチマン」によって風前の灯火のごとくである。
やがて「独立自尊を標榜する少数強者」は、「従属自卑に留まる多数弱者」によって、そのことごとくが倒されてしまうのであろうか・・?
強者が弱者のルサンチマンに倒されないためには、強者の「独立自尊」が、比類無き「絶対的独立自尊」でなくてはならない。
釈迦がこの世のあらゆるルサンチマンに倒されなかったのは、厳しい修行によって到達した「天上天下唯我独尊」という「独立自尊」が、比類無き「絶対的独立自尊」であったからに他ならない。
また日本が誇りとする科学者、寺田寅彦が言った「懐手で宇宙見物」という、比類無き孤絶した人生観もまた、同様の「絶対的独立自尊」の立場からの視点であろう。
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