現在を変更可能にする「専有する現在」をもてることは人間にとって「最高の幸せ」であろう。
専有する現在を構築する「想像意識」には、限界なく、身分の別なく、貴賤の別なく・・絶対的公平が保証されている。
かかる保証は人間にとっての「最大の資産」であるとともに、また「最大の救い」でもある。
個人の想像意識を拘束できる者はこの世には存在しない。それはこの世のいかなる権力者をもってしても不可能である。
その実例は、多くの人々が「共有した」第2次世界大戦下の悲惨なアウシュビッツの「拘束された現在」さえも、個別のひとりが「専有した」自由に飛翔する「解放された現在」によって「救済された」とする被収容者証言の述懐の内に観ることができる。
|