現在に生きる者が「過去のみ」にこだわり、過去ばかりを考えていた場合、その者の「現在」は喪失する。
今の今という現在は「明日になれば昨日という過去に転化する」のであるから、いずれ明日になれば、再び今の今である「現在をもまた過去として考えはじめる」こととなり、明日の今の今もまた喪失する。これを繰返すことで、彼の人生における「すべての現在」は喪失する。