社会は「自己保存の法則」に従って運動し、宇宙は「エネルギ保存の法則」に従って運動する。
自己保存の法則は「本能を基とした経済的合理性」によって構成され、エネルギ保存の法則は「論理を基とした科学的合理性」によって構成される。
従って、社会を動かすにあたって、論理を基とした科学的合理性、つまり、エネルギ保存の法則を運用しても、さしたる効果は発生しない。
また逆に、宇宙を動かすにあたって、本能を基とした経済的合理性、つまり、自己保存の法則を運用しても、何らの効果も発生しない。
本能は多く情緒に依り、論理は多く理性に依る。ゆえに、社会は多く情緒によって動き、宇宙は多く理性によって動く。
我々がとある商品を、とあるセールスマンから買うのは、とあるセールスマンの論理的セールストークに理性が納得したからではなく、単にとあるセールスマンが「気に入った」という情緒的動機からである。
※自己保存の法則:
このような名称で呼ばれる法則があるかどうかは筆者の知るところではない。要は、すべての宇宙存在が、自己を成長させ、発展させ、存続させようとする本能的意志を内蔵していて、その完成に向けて行動するという社会学的運動法則仮説を、科学的な運動法則であるエネルギ保存の法則に対比させ、筆者がこのような名称で位置づけているに過ぎない。
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