現代社会は「システム社会」である。
システム社会とは社会目的達成に向けて、必要な「機能」を構成要素として編成した「タスクフォース組織」である。
システム社会の本質は他のシステム、例えば自動車という機械システムと何ら異なるものではない。自動車という機械システムは、走るという目的を達成するために、必要な機能として割り当てられた各要素部品で構成されている。
機能とは「役割」であり、自動車を構成する何万点の各要素部品にはそれぞれの役割が割り当てられている。
システムは目的を達成するために、構成する各要素部品に忠実なる「役割の履行」を要求する。もし要求された役割の履行が滞り、機能不全に陥れば、かかる不履行構成要素部品は「排除」され、履行可能な新たな部品に「交換」される。
機械システムにおける「構成要素部品」は、社会システムでは人間という「構成要素要員」にあたる。社会システムにおける各構成要素要員に求められる役割、機能は、機械システムにおける各構成要素部品に求められる役割、機能と、システムの上では何ら異なるものではない。
であれば、世で喧伝される「人材」とは、せいぜい部品の「材質」が鉄かステンレスか程度の違いであり、その機能の差異は「錆びない」程度の違いでしかないことになる。
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