宇宙の主体が物質であり、時間と空間(時空間)がかかる物質の付属物であるとすれば、A物質には個有のA空間とA時間が、B物質には個有のB空間とB時間が・・等々と、それぞれ個有の物質に応じた「さまざまな」空間と時間が存在する。例えば、100の物質があれば、100通りの時空間が存在する。
つまり、貴方の世界(時空間)と私の世界(時空間)は同じではなく個別に異なる。前項で時空間が各個別物質の「自己主張(パフォーマンス)」であるとした所以である。
あらゆる物質を取巻く時空間は「たったひとつ(絶対的時空間と呼ぶ)」とする考えは、17世紀における、ニュートンの「プリンキピア(自然哲学の数学的原理)」時代の概念であり、20世紀における、アインシュタインの「相対性理論」時代以後は、あらゆる物質にはそれぞれ「個別個有の時空間(相対的時空間と呼ぶ)」があるとする概念に転換されなければならないのであるが、300年近くの歳月が経過してなお「ニュートンの亡霊のごとく」我々の認識を拘束しているのである。
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