シュレジンガーの波動方程式によれば、ひとつの宇宙の発生は、その波動方程式に関する波動関数の収縮によって語られ、かかる波動関数の収縮は「意識的観測」によって誘起される。
意識的観測がなされる以前の宇宙は「波動相」をおび、あらゆる可能性を秘めてカオスのごとく広がっている。意識的観測がなされるやいなや、あらゆる可能性は消滅し、「粒子相」をおびた、「たったひとつの宇宙」に収縮(凝固)する。
我々が今目の前にする現実世界は、あらゆる可能性としての波動相として、「アナログ的」に一円に広がっていた「全体宇宙」から、人間の意識操作により、たったひとつの可能性としての粒子相として、「デジタル的」に局所に凝固した「個別宇宙」である。
簡潔に言えば、あらゆる可能性の中から人間意識が「抽出(選別)」した「ひとつの宇宙風景」である。
つまり、「未来を創る」とは、あらゆる可能性の中から、たったひとつの「可能性を抽出」することに他ならない。
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