本物の「知」とは、実在とつながっている。
偽物の「知」とは、実在とつながっていない。
中国の思想家、王陽明が唱えた「知行合一」とは、「知」がいかにしてこの「実」とつながるのかのメカニズムの解明である。
現代情報化社会では、日々頭の上を、多種多様、膨大な「知」が行き交っている。だがその中に、実在とつながっている「本物の知」がいったいどのくらいあるのであろう・・・。
実在とつながらない「偽物の知」が大手を振って横行する社会では「実存性」が喪失するのは必然である。
実在から遊離した知がまかり通る世界とは虚の宇宙であり、言うなれば「虚構の社会」である。
知の真贋を見きわめる「知の鑑識眼」が、今強く求められる・・・。
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