人間が持ち得る意識に限界はあるか・・？

　限界に挑んだ哲学者、ニーチェは精神崩壊し・・文学者、三島由紀夫は割腹自殺を遂げた・・。

　意識世界も物質世界と同様にさまざまな「個別意識の集合」によって構成されていることに異論なきところであろう・・したがって、あるひとつの個別意識が拡大膨張すれば、他の個別意識を圧迫するのは必然である・・かくして、意識世界の領域闘争である「意識戦争」が始まるのである。

　意識世界が形無き世界であるから領域限界が無いとするのは誤りである。ある個別意識が他の個別意識の意識領域を侵害すれば、他の個別意識はその侵害意識を駆逐するために猛然と侵害意識に襲いかかるのである。

　物質世界における領域闘争である「物質戦争」は２０世紀までの物質文明発展による物質的飽和によりしだいに終焉にむかい、これからの２１世紀情報文明時代における領域闘争は意識世界における「意識戦争」が主流となっていくであろう・・物質戦争も悲惨であるが、意識戦争もまた悲惨であろう・・。