空間と物質は宇宙構造における基本的構成要素である。
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我々は通常、物質と呼ばれる
「物体」 が、空間と呼ばれる 「容器」 の中に存在していると考えているが、この容器がいかなる大きさで、いかなる形をしているのかを眺めた人はいまだにいない。
この容器を確定するためには、「宇宙の果て」 と呼ばれている容器の外殻の状態を明確にしなければならないが、いまだこの宇宙の果てを解明した者はいないのである。
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外殻(大きさと形)が判然としない容器を、はたして容器と呼べるのであろうか
・・?
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もしも宇宙にたった1個の物体しか存在しなかった場合、そのたった1個の物体の周りに空間が存在するとする根拠は、いったいどこから生まれるのであろうか
・・?
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それは 「在るとも」
言えるし、また 「無いとも」 言える。
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次に物体が2個存在した場合を考えると事情は異なってくる。
2個の物体の 「間に」 空間が突如として生まれるのである。 さらに物体が3個存在した場合、3個の物体相互の 「間に」 空間が次々と生まれる。
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つまり、物体の数が増加するに従って、空間は増殖的に生まれていくのである。 |
天文学者は次々と高精度の望遠鏡(光学式、電波式等)を開発し、次々と遠くの物体を発見する。
この発見で宇宙空間は次々と広がっていく。 今までは何もないと考えられていた宇宙の各所で、ある物体(星団、星雲など)が発見されると、宇宙空間はそこまで広がるのである。
換言すれば天文学者とは、宇宙空間を発見し、宇宙空間を広げる人と言ってもよい。
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空間と物質の発生における主と従は、物質が主で、空間は従であり、「物質が空間を発生させる」
と考えた方が妥当である。 つまり、空間は容器ではなく物質に付着した付帯部品である。 その物質がそこに存在するがゆえに、その物質における付帯空間が発生しているのであり、その物質が消滅すれば、同時にその周りに発生していたその付帯空間もまた消滅するのである。
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無から有への発生過程は量子論物理学者ディラックが説明するところである。
無から発生する有は 「ペア粒子」 と呼ばれる。 ペア粒子は 「電子(物質)」 と 「陽電子(反物質)」 のペアで構成されており、この宇宙において単独(つまり、電子のみの状態、あるいは陽電子のみの状態)では存在することができない。
生まれるのもペアであれば、消滅する時もまたペアなのである。 ペア粒子の消滅は 「対消滅」 と呼ばれ、この時に光りを発する。
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ディラックのペア粒子の構造から空間と物質の宇宙構造を考えれば、物質である電子が物体であり、反物質である陽電子が空間と対比還元され、さらに物質と空間はペアであり、単独ではこの宇宙に存在できず、一方が消滅すれば同時にもう一方も消滅すると還元される。
つまり、「物質と空間の対消滅」 である。
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