Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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社会システムの動特性変化
 社会を変革しようとすれば、今までは「社会全体へのアプローチ」が必要であったが、これからは「社会局所へのアプローチ」で事足りる。

 なぜならば、社会の「局所」と「全体」は、コンピュータネットワークにより密接に繋がっており、局所へのアプローチが「一瞬で」社会全体へ波及するからである。

 それを運動メカニズムの制御システム系で考えれば、時間的に「鈍感」な社会システム系から、「敏感」な社会システム系への「動特性変化」を意味している。

 敏感な制御システム系の動特性は応答性には優れるものの、微弱な外乱ノイズで制御系が誤動作したり、またハンチングと呼ばれる激しい振動を発生したりして、システムが不安定化し、場合によってはシステムそのものが破壊されてしまうこともある。
 一般の自動制御系では、ノイズフィルタを備えてノイズの侵入を阻止し、比例動作、積分動作、微分動作と呼ばれる動作制御技術を駆使しハンチングを防止する。

 社会システムも制御システム系においては機械メカニズムの制御系と何ら異なるところはない。

 つまり、社会システムの動特性が変化した以上は、従来の制御技術を変更しなければならない。
 でなければ、わずかな不規則な出来事(外乱ノイズ)で、社会が混乱(誤動作)し、ついには社会全体が激しく乱高下(ハンチング)し、恐慌状態(システム破壊)に陥ることになる・・。

2004.3.02

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