人間に存在理由が「無い」ことを有効に「転用」すれば、これはこれで、人間がこの世で生きるうえでの最高条件となり得る。
つまり、自分自身に何ごとかの存在理由が「有る」と思い込ませることができれば、そのような存在になることが可能である。
自己を「天才」と思い込ませることができれば、天才となり得るのである。
存在理由が存在しない虚空間での「実存性」とは、そのようなものである。
日本密教の創始者空海が唱えた「即身成仏義」の秘密は、まさにここにある。
だが問題は「自己が生まれながらにして仏である」と思い込むことができるか否かであり、それができる人のことを天才と言うのである・・。
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