Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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人間の存在理由
 人間は存在の意味を問い、日々生きる意義を問い続ける。
 しかし、人間が生まれるにおいて、これらの意味や意義が存在したのか・・?
 気がついてみたら「この世にいた」という述懐が、すべての人間の偽らざる心境ではないか・・?

 この世に登場する(生まれる)において、もともとの存在理由を問うことができない存在である人間が、その後の存在理由を問うことなどできるのであろうか・・?
 それは大いなる論理矛盾である。

 この世に登場しても、登場しなくとも、どうでもよかった存在である人間が、この世に登場したとたん、かような出生の由来を忘れ果てて「大たわごと」を主張しだす。

 もっとも当の人間は、誰も大たわごとなどとはさらさら思ってはいない。「神という宗教的言語を用いて」・・あるいは「永遠という文学的言語を用いて」・・また「無限という物理的言語を用いて」その大たわごとに、あたかも存在理由が存在するかのように厚化粧で装飾するのである。

 はたして、神・・永遠・・無限・・という言語の実体を証明した人が、この世にいたであろうか・・?

 人間はそれらの言葉に酔っているだけであり、またそのように酔わなければ生きていけない存在なのであろう・・。

2004.2.24

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