芸術とは、掛け値なしの「美」であり、鑑賞に耐えうるものである。従って見るに耐えない、鑑賞に耐えない「もの」は芸術ではない。それは芸術という名を借りた唯我独善たる自己主張の「一種」である。
芸術に必要なものとは、「意図」であり、素晴らしい芸術には見る者すべてにうったえかける明瞭な意図が顕れている。従って表現上の技巧の稚拙は二の次である。
芸術の意図を表現するには「形式」が必要であり、バッハの「ロンド形式」は、彼の音楽芸術の意図を顕し、同様にピカソの「キュービズム」は、彼の絵画芸術の意図を顕している。
しかし、結局。
宇宙にすでにして備わっている「完璧性」に感嘆すること、それが芸術に他ならない。
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