Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
Turn

孤高の人
 自立した個の世界認識を確立することは、現代社会では至難の業と言わなければならない。

 現在構築されている全体社会の世界認識は、強固であり、威圧的であり、真理に肉薄した虚偽であり、複雑化した偽善であり、膨大な戯言に擁護された世界である。

 その中にあって、個の魂による直観から新たな世界認識を構築することは、甚だしい個の孤絶をもたらすであろう。その孤絶を孤絶として身ひとつに受け入れて生きることは、そう簡単ではない。

 そのような生き方をした偉大な先達として、文学者ゲーテ、哲学者ニーチェ、音楽家モーツファルト、画家ピカソ、そして日本の評論家小林秀雄氏・・等の名があげられるであろうか。ともに「孤高の人」であった。

2003.10.20

copyright © Squarenet