現実を発生させ、現実を消滅させる原因は、人間に関わる「意識操作」にある。
意識操作とは現実を発生させる「意識的観測」であり、現実を消滅させる「意識的編集」である。日常的な言葉に置換えれば、意識的観測とは「現実の未来化」であり、意識的編集とは「現実の過去化」である。現在はこの意識的観測と意識的編集の「狭間」に在る。
物理学者、デビットボームの暗在系と明在系の構図で述べれば、意識的観測とは、可能性の海である暗在系から、現実世界である明在系への万物事象の「投影(注入)」であり、意識的編集とは、明在化された現実世界の万物事象の、暗在系である可能性の海への「反投影(反注入)」である。
つまり、未来とは人間の意識的観測によって意識世界に構築される「期待世界」であり、過去とは人間の意識的編集で意識世界に構築される「物語世界」である。期待世界は意識の「想像力」に左右され、物語世界は意識の「記憶力」に左右される。
しかして、現在とは、想像力にも、記憶力にも左右されない「現実そのもの」である。
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