思ったことは実在化するのであるが、思うのは私ひとりではなく、地球上の全人類５０億人以上の人々がさまざまに思うことであり、私には不都合な事象も、この現実世界には実在化してくる。また逆に、多くの人々がさまざまに意識することが、この現実世界を、複雑怪奇にする原因でもある。

　人々の意識化にも強弱や大小があり、より強く、より大きな意識は、明確な認識を具現化する。明確な認識化はまた、明確な観測を具現化するため、宇宙を確定する波動方程式の波動関数の収縮は、そのより強き、より大きな、明確な意識によって引き起こされることになる。世で言われる英雄とは、このような強き大きな意識を具現化する観測者であると位置づけられる。

　時として、このような英雄が、群雄割拠する事態ともなれば、宇宙を確定する波動関数の収縮は、より複雑怪奇なものとなる。
　換言すれば、英雄同士の、より強き、より大きな意識の「バトルロイヤル」となる。つまり、戦争とは、このような、より強き、より大きな意識の具現者による、意識覇権の争いということができ、「意識戦争」の様相を呈する。

　２１世紀の情報化時代においては、この意識戦争が「情報」を基本戦略として行われることになり、２０世紀の鉄砲や大砲などの「物質」を基本戦略とした戦争とは本質的に異なる。情報とは明在系として現実世界に実在化した、時間・空間・物質の「状況」であるが、この状況を、より早く、より確実に知ることで、より早く、より確実に意識化が可能となる。

　これにより、全体宇宙としての可能性の海である暗在系から、次の現実宇宙を確定する波動方程式の波動関数を収縮させる、観測（意識化）を、いち早く実行することが可能となり、かかる意識者が思った、「現実世界」をこの世に、いち早く実在化させ、戦いに勝利することになる。