有の世界は無の世界を基準とし、無の世界は有の世界を基準とする。善悪と言えど、善の基準は悪の意味をもって定まり、悪の基準は善の意味をもって定まる。
人間は有の世界は見ることはできるが、無の世界を見ることはできない。だが有の世界のそこかしこに、無の世界が漂っている。
無の世界は心眼をもって観ようとすれば観ることが可能である。また無の世界に飛び込み、再び有の世界に戻ることも可能である。
その道筋は、近代物理学が語る、時空のトンネル、「ワームホール」のようである。ワームホールを通れば、何億光年隔たった空間へも、物体は瞬時に移動可能である。
意識のトンネルもまた、この物質のワームホールに等価と考えれば、「意識ワームホール」を通れば、有の世界から無の世界へ、無の世界から有の世界へと、意識は瞬時に移動可能となる。
問題は、この「意識ワームホール」をいかにして発見するかではあるが・・。
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