英雄は時代が行き詰まり、天・地・人の気が1点に集中した時に顕れる。
そして、その行動を観察すると、彼が時代の混乱を巧みに利用していることが見えてくる。それは、一種の梃子(てこ)の作用を用いていることである。
梃子を利用すれば、理論的には一人の力をもってして、地球をも持ち上げることが可能である。
英雄はこの梃子の理論を使って、時代を動かすのである。
力学的な梃子の作用は、化学的な触媒の作用と相似する。
化学反応は触媒の介在によって急速に進行するのである。
時代の相転換(混沌からの自己組織化)において、英雄の機能は、その自己組織化(結晶化)を促進させる「触媒」であり、莫大な時代エネルギを動かす「梃子」の役割を演じているのである。
|