Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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抜け穴だらけの牢獄
 人類が構築した現代システム文明が今や閉塞状態に陥っているとする見方が世相の主流を占めつつあるが、このシステム文明が「言葉を基本とした機能」で構築されていることは異論のないところであろう。

 言葉が物事の本質を表現していないことは前項のごとくであり、従って言葉を基本として構築されたシステム文明もまた本質を表現していないことになる。

 これからすれば、「にっちもさっちもいかない」という現代システム文明の閉塞状態はまた、「抜け穴だらけの牢獄」のようだと言うことができる。

 人類にとって今、最も必要なことは、不完全な言葉のレッテルで構築された現代システム文明の「常識」という意識の束縛から脱皮することにある。
 そのためには、身辺に飛び交い、浮遊する言葉の真の意味(本質)を理解することに努力を傾注しなければならない。

 でなければ、巷間言われる「自己変革」、「発想の転換」・・等々の言葉は、単なる「お題目」に過ぎず、俗に言われる「教読みの教知らず」に逸することになる。

 つまり、「自己とは何か・・?」、「変革とは何か・・?」、「発想とは何か・・?」、「転換とは何か・・?」という「言葉の本質」を追求しなければならないのである。

2003.2.17

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